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11/2(土)演奏も大好評!「ヘンデル:『メサイア』」事前講座を開催しました。

11月2日(土)、グランシップリハーサル室にて「ヘンデル:『メサイア』事前講座」を開催しました。芸術の秋、ヘンデルやメサイアについて知識を深め、12月に開催する「バッハ・コレギウム・ジャパン ヘンデル:『メサイア』」の本公演をより楽しもう!ということで、多くの皆さんにご来場いただきました。

 

会場に入るとまず目を引くのが、美しいチェンバロ。クリーム色の本体に、動植物のモチーフが彩色されており、休憩時間には近くでご覧になる方も多くいらっしゃいました。

今回の講師は音楽学者でヘンデル研究の第一人者である三澤寿喜さん。ヘンデルの人物像を、劇場の歴史や当時の聴衆の様子などを交え、いきいきと語っていただきました。

「大作曲家」というイメージが強いヘンデルですが、作曲だけに留まらず、台本執筆や指揮の他、現代でいうプロデューサーや演奏者のマネージャーのような仕事もしながら、興行主として劇場を押さえたり、事務仕事や会計も行うというマルチな活躍をしていたのだとか!

一方で、社会的な弱者に心を寄せ、慈善活動に熱心な面もあるというヘンデルの持つ様々な顔を知り、とても魅力的な人物であることがわかりました。

 

今回の講義では、解説している場面に合わせた曲を、その場でバッハ・コレギウム・ジャパンのメンバーの皆さんに演奏していただきました。講義と実演がセットになることで、説明をより具体的に理解することができました。

今でこそ名作とされる「メサイア」も、ロンドンでの発表当時は不評だったようです。ヘンデルが「メサイア」と同時期に作曲し、先に発表して大成功を博した「サムソン」と「メサイア」の二つの作品を比較する際には、ソプラノの松井亜希さんに、「サムソン」の登場人物、デリラがサムソンを誘惑する場面の情熱的なアリアを歌っていただきました。

典型的なヘンデル作品といえる「サムソン」は、旧約聖書を題材としていながら、ドラマチックな物語を様々な楽器やアリアで華やかに盛り上げるオペラ的な演出がなされています。

 

一方で、同時期に作曲された「メサイア」は、聖書の言葉がそのまま歌詞となり、演技も華やかな衣装もなく、歌声と演奏が呼応して物語を紡いでいくという特異な楽曲であるとのことでした。そんな「メサイア」も基本的には劇場で上演される娯楽作品であり、演奏者の名人芸で観客を圧倒するということが聴衆へのアピールポイントということで、松井さんにメサイアの人気曲「Rejoice greatly,o Daughter of Zion」歌っていただきました。

 

改訂を重ねて、現在では4/4拍子で演奏されることが多いこの曲を、今回は特別にダブリンでの初演時に演奏された12/8拍子で披露していただきました。駆け上がるような歓びがダイレクトに伝わってくる歌声でした。

第二部は、三澤さんとチェンバロを演奏していただいた鈴木優人さんのトークで幕を開けました。

12月のグランシップ公演では全曲演奏でお届けする「メサイア」ですが、ヘンデルゆかりの地であるイギリスやドイツでも短くカットされたものが演奏されることが多いのが現状なのだそう。

三澤さんは「全部の曲が積木のような必然性を持ってメサイアを構成している。メサイアは人間ドラマこそ少ないが、場面ごとに起伏があり、全編を通して初めて味わえる感動がある。ヘンデルは表面的な歌詞や音符だけでなく、登場人物がどういう人物なのかを曲に描きこんでいる。聴く人も演奏する人も、そこに込められた思いを読み取ってほしい。」と語りました。

 

そして「メサイア」のラスト、イエスの受難から復活という、物語が大きく展開するのと同時に調性が劇的に変化するシーンを、テノールの谷口洋介さんに歌っていただき、大きな拍手と共に講義は終了となりました。

クリスマスシーズンには、ぜひバッハ・コレギウム・ジャパンの「メサイア」で、古楽器と合唱の美しい響きをお楽しみください。

 

 

写真:グランシップサポーター 鈴木勇樹

 

 

 



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